これからは一緒に生きていくんだね。#25『バディ ステディ ゴー!!』
終わりが嫌でも書かなきゃいけません。
俺は、ウルトラマンが好きだから。
アバン。
前回までのあらすじからシームレスに変身、タイガVSウーラーへ。
最終決戦が始まる──。
OPはなし。
タイガが激しい戦闘を繰り返している下で人類の一部は罪なき宇宙人に攻撃を加えていました。数人で取り囲んで一方的に攻撃する姿はまさにいじめそのもの。直接の暴力描写はないものの、その悲痛は伝わってきます。
宇宙人たちは時代に寄り添ってキャラクターを変えてきました。我々はその是非を問い続けていましたが、結局のところ俺たちが変われなかっただけなのです。ウルトラマンたちの願いを無下にしていたのは俺たちでした。
二回目の戦闘はというとトライストリウムになることもできずにやられてしまいます。ピリカを救わなければならないという焦りから急いていたのでしょう。冷静じゃないと動きが悪くなるのがヒーローというものです。
ウーラー自体ふにゃふにゃしているので打撃が効いているのかどうかわからないのが面白いですよね。キングジョーのような鋼鉄のロボットとはまた違った趣があります。
というわけで変身解除。倒れたヒロユキに手を伸ばしたのは──。
ピリカの献身しかしウーラーは止まりません。追い詰められたE.G.I.S.。ウーラーの体内にいるピリカからメッセージが届きます。ウーラーには悪意がなく、腹が減っているだけ。誰かの無責任から生まれた被害者は今でも苦しみ続けているのでした。お腹を満たしてやれたらウーラーと共に消滅することを選ぶというピリカ、みんなはその想いに応えることにしました。
ウーラーの体内ブラックホールを解決しないことには腹を満たしてやれません。そんな中現れたのがこの二人!
マグマ星人とマーキンド星人です。
前回のピリカの覚悟を見て協力するつもりになったんだとか。ピリカを救おうとするみんなの姿を見て感じるものがあったのかもしれませんね。ヒロユキに手を伸ばしたのは彼らでした。彼らの持っているホワイトホールを発生させるミサイル。マグマウェーブで呼び寄せたところでぶち込みブラックホールを中和させようという作戦です。侵略兵器にしては危険すぎませんかね。
しかし最後にどう腹を満たしてやればいい!? マグマウェーブでは無理!
カナは笑って答えます。
「タイガがいる」
「しかし、それをウルトラマンにどうやって頼むよぉ」
「はい! 頼んだわよ、ヒロユキ」
E.G.I.S.のみんなはヒロユキの正体に気付いていました。まあ妥当ですが。
それでも誰も言及することなくここまでやってきたのです。ウルトラシリーズ史上かなり好きな正体バレ展開ですねこれ。ヒロユキの真っすぐさを信じているからただ仲間として傍にいる。これってなかなかできることじゃないですよ。
トライスクワッドの軽い激励。
ホマレはマグマと一緒に宇宙に出ます。
「作戦名『バディ ステディ ゴー!!』」
マグマウェーブによって引き寄せられたウーラー。ホワイトホール生成ミサイル、ヴァイスストライクを発射します。人々の間からその様子を見ている霧崎も流石に手を出しません。ミサイルは見事ウーラーの体内へ。中和に成功します。
みんなの願いを受けて、バディゴー!
タイガの登場に人々は沸き上がります。
「タイガ……見ているかこれが地球人だァ……ウルトラマンも宇宙人だろ……お前たちが迫害してきたなァ……怪獣やヴィランから自分たちを守ってくれる存在は特別扱い……ハハハハハァッ!! まさに……これこそが混沌だァ……」
同時にトレギアも変身です。
タイガ渾身のストリウムブラスターを弾き登場したトレギアは噛みついてきたウーラーを蹴り飛ばします。
瓦礫に巻き込まれそうになる人間たち。それを救ったのは冒頭で攻撃を受けていた宇宙人たちでした。
当然トレギアにキレるタイガ。通常の姿でも大分頑張れるようになっています。
チェンジ、フーマ!
「疾風怒濤! 俺がテメーをぶっちぎる!」
トレギアの攻撃を全て回避して攻撃し続けるというまさかの快挙。
スピード系戦士が不遇になりがちなウルトラマンシリーズにおいて最後まで最強を守り抜きましたフーマ! 最高ですね!!
上空から迫るはタイタス!
「賢者の拳は全てを砕く!」
「酷いことするねェ……賢者のクセに」
「特別だァ……!」
やっぱタイタスですよ。こちらもタイガの新フォームの波にのまれず最後まで最強だった。賢者でもね! トレギアはね! 殴るよね!
しかしホワイトホール終了まであと少し!
間に合わないとウーラーを救えません。
ホマレもカナも心からヒロユキを信じてる。だから心配する必要なんかない!
フォトンアースに変身! 地球人を救ったピット星人は傷つきながらも共存を証明しているウルトラマンと人類の話をします。トレギアに圧倒されるタイガ、しかし今度はウーラーと共闘の時。怪獣との絆を否定され、タイガは膝をつきます。が!
諦めたりはしていない!!
トレギアの放った光弾を防御、プラズマゼロレットの力──ワイドタイガショットで増幅して押し返します。光弾はトレギアの頭上を越えウーラーの口へ。目的は最初からトレギアなんかじゃない。
「邪魔者は排除する……結局これがお前らの答えか……」
「行くぞ……タイガ」
ヒロユキは手を伸ばします。
「お腹いっぱいになったね……お昼寝しよっか」
ピリカはウーラーのコアを抱き締めます。前回おはようと言った霧崎とは対照的に、誰より暖かく、優しい心を持って。
ウーラーは爆発。ピリカも同時に消滅します。
暖かい光は何処までも広がっていき、宇宙人を迫害していた人類、そしてトレギアのもとへも届きました。トレギアはその光が暖かいものであると無意識で呟きます。
立ち上がるタイガ。
「俺一人のパワーじゃ不可能だった。俺とお前。ウルトラマン二人の力が……あの怪獣の心を救ったんだ」
「どんなに否定しようと……「お前は、ウルトラマン」」
トレギアがタロウの友達であったことを看破。光の守護者に戻りたいなら、とタイガはトレギアにさえも手を差し出します。
「何度も言わせるな……この世には光も闇もない……!」
「俺は……光を信じるッ!」
トライストリウムに変身したタイガはトレギアと正面衝突します。
昂る感情のままに殴り合う二人。救われるための戦い。
トライスクワッド全員の攻撃を受け倒れるトレギア。
タイガは太陽の前に浮かびます。
見上げるトレギア。
「……タロウ」
「そうだ! 俺はタロウの息子!」
「ウルトラマンタイガだッ!!!」
クワトロスクワッドッ!
クワトロスクワッドォーーーブラスタァァァァァァ!!!!!!!!!
トレギアは笑いながら両手を広げ、光線を受け止めます。
虹色の爆炎を振り返るタイガ。これで全てが終わりました。
道のりは遠いかもしれない。だけど、紡がれた光は終わらない。これからみんな一緒に生きていくんだから。
後日。
マグマ星人は整備士として、マーキンド星人は会計としてE.G.I.S.への正式な加入が決まりました。悪行から足を洗ったのです。E.G.I.S.は政府公認のモデルケースとして認定。宇宙人と手を取り合っていける未来へ進んでいくのです。
そしてもう一人の新入社員。
旭川ピリカ。復活。
理由? 理屈?
後にしろどうでもいいいいいいいいいいんだよそんなのはよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!これでいい!!!!!!
「おかえりなさい」
腕上げたのにハグできなかったヒロユキ可愛すぎる。
「これは宇宙人たちとの共存へ、大きな一歩を踏み出した若者たちの奇跡の物語である」
最後にOP『Buddy,steady,go!』。
これまでの戦いと出会いを振り返ってエンドです。
最終回が終わりました。ボイスドラマは前回が最終回だったのでここまでです。悲しい。つらい。無理。泣きそう。大好き。
トレギアの感情の吐露をタイガに代弁させたのがかなりグっと来ましたね。ベリアルとはまた違った終わりが美しかったです。タイガのシルエットにタロウを見て笑いながら敗北を受け入れる姿はラスボスの姿として新しい美麗さを誇っていたと思います。
人類は愚かにもウルトラマンと宇宙人を差別する。それに気付いている自分だって、本当はウルトラマンで。それを証明したのが悪意で放ったはずのエネルギー。トレギアが最も嫌がる形で手を伸ばし、それを否定したからあの終わり。破綻が全くありませんでした。
放送前に色々あったピリカも、この人で良かったと思える暖かい終わりを見せてくれました。一周たりとも後れを見せずに放送してくださったスタッフの皆さんには頭が上がりません。優しい言葉でウーラーを包み、一人では寂しいからと一緒に歩む。霧崎の悪意があったからこそここまで来られたんだなって思います。トレギアの周りに何もなかっただけ。手を伸ばせば、受け止めてくれる友は必ずいるのです。
ヴィランギルドから転向した二人も良かったですね。悪を倒せばそれでいいという話では決してない。トレギアに救いを与えたように、誰しもが救済される権利があって二人はそれを選択したというだけの話でした。
トライスクワッド、人類、ヴィランギルド。それぞれみんな違う生まれでも共に戦っていけるという証明が為された今作。Xの可能性の模索とはまた違った結末でした。俺がこの作品から読み取ったテーマは『再会』と『自覚』でしょうか。これについてはまた時間を作ってお話ししたいなあって思ってます。そんな余裕があったらな。
これでタイガも終わりかと思うと悲しいですね本当に。Twitterにいるとやたら批判意見を目にして疲弊したりもしましたが、俺は名作で傑作だと思ってます。Blu-ray買うか。
タイガをタロウの息子としてしか見ていなかったのは誰より俺たちで。
ゼロは全くセブンとは違う生き方をしているんですよね。なのに誰もそれは言わない。
まあゼロだからっていう漠然とした理由もあったのでしょうが、そういうところも含めて『自覚』の作品だったのかなって思ってます。自分は違う、そんなことないんだよ。
話したいことはまだまだあるんですけど上手く言葉が纏まりません、俺の実力不足ですね。
まあこれが最後じゃありませんから。語る時間はまだある。
それでもやっぱりこれでタイガの物語は終わり。
んなわけあるか!!!!!!!!!!!
まだまだタイガは終わらない!!!!!!!!!!!!!
延命措置!!!!!!無限感謝!!!!!!!!!!!!!
次回『そしてタイガがここにいる』!
終わらねえええええええええええええええええええええええええええええええ