何もかも、今に始まったことじゃない。

ウルトラマン好き。めっちゃ好き。

どんなに否定しようと──お前は、ウルトラマン。#特別編『そしてタイガがここにいる』

書かないとなあ、ウルトラマン好きだから。


ウルトラマンタイガ』

特別編『そしてタイガがここにいる』

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これが最後ですね。彼がタイガです。

今回は新規映像もなくスタンダードな総集編だったのであらすじはカットします。

序盤怪獣のテロップ付き画像を資料的な意味を込めて掲載しておきますね。

前半はタイガたちトライスクワッド集結を纏め、後半はトレギアとの因縁に焦点を当ててくれました。なので終盤戦はほぼカットされていましたね。展開を振り返りながら涙するにはちょうど良かった構成です。

16話『我らは一つ』でのトライストリウムへの変身シーンで前期ED『ヒトツボシ』を流したりラストのトレギア戦で後期ED『Sign』を流したのは素晴らしい工夫でした。めっちゃ泣いたもん。

素敵なエンドとナレーションで直後に劇場版のPV流れてタロウ闇堕ちは正直クソ笑ったけど。

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前回の記事でタイガは『再会』と『自覚』の物語だという話をしましたね。ほんの少しだけ掘り下げていこうと思います。

 

まずは『再会』。

再会とはつまり一度の別れがあって成り立ちますよね。

第一話でトライスクワッドは分裂、トレギアとも別れてしまいます。

二話ではチビスケとヒロユキの再会、そして別れ。トレギアとも再会します。

三話では死んだ宇宙飛行士、レントとナナの再会。

四話ではホマレとヴォルクの再会。

六話では星に帰りたい男とペロリンガ星人の再会。

九話ではホマレとマイコの再会。

十話では失った誇りとオデッサの再会。

十四話ではギガデロスとイルトの再会。

十五話では少年とモコの再会。

十六話では強さを見失ったタイガとトライスクワッドの再会。

十七話ではカナとミードの再会。

二十話ではサチコとミスティの再会。

二十三話ではタイガとゼロの再会。

二十五話ではトレギアとタロウの一方的な再会。

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文字に起こすだけでも結構再会しているんですよね。

この作品は時の流れが顕著にあらわれていて、タイガは地球人を見下していたのにヒロユキと一体化してから12年の時を経てそれなりに見直しているし、ホマレはチンピラでもないし、カナは警察じゃないし、ピリカはアンドロイドであることを隠しているし、タイタスは友の死を引きずっていないし、フーマは師のことも少女のことも引きずっていない。

時間は全てを解決するとはよく言ったものです。きっと、冷静になって考える時間が与えられるってことなんでしょうね。考えているうちにどうでもよくなったりして。その逆に、考えれば考えるほど螺旋を描いて複雑になってしまったり。それがトレギアなのかなって思います。思考を繰り返していけば善悪の境界なんて容易くゲシュタルト崩壊してしまうことでしょう。だからこそ真っ直ぐなタイガの心が彼に届いたのです。

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再会することが結果というわけではありません。レントとナナは納得の上で消えていきましたが、だからといって不祥事を起こした社長が改心したかというとそんなことはありませんでしたよね。ここで現実感、リアリティを引き合いに出すつもりは毛頭ないんですが、それはそれとしてそういったドライさがタイガの魅力なのかなって思います。ウルトラQから始まった歴史の後味の悪さを現代風に捉えなおした結果がアレなんだとも。

『親密な仲の人が再会した』というわけではない展開もありました。ホマレとマイコの再会がそういうパターンですね。顔見知りとかそこまで喋ったことのない人との再会で距離がグッと詰まるのもなんだかありえそうな話です。

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トレギアは太陽の前に浮かぶタイガにタロウを見ましたよね。どんなに捻じ曲げようとしたって誰かと共に這い上がる。あの形での再会は敗北感凄かったと思いますよ。だって自分のせいでタロウを背負ったタイガが完成してしまったのですから。全力の悪意を全力の善意で返されて焼き尽くされてしまったのですから。それでも笑いながら光線を受け止めたというのは彼なりに区切りをつけたというか、物語の終わりを演出したかったんだろうなぁ、と。

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で、『自覚』の話。全体を通して宇宙人と人類の関わり、差別を描いていましたが、俺たちがもしその立場にいたとしたらどう行動したでしょうか。田崎君のように暴力に走っていなかった? 街頭ニュースで不気味だのなんだのって言わなかった? 俺は美しく生きられる自信がない。作品を見ているときに自分がどうのこうのって考えるわけねーじゃん。でも、考えたら素敵だと思わない?

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トレギアはウルトラマンだってお前らの忌み嫌う宇宙人と同じだろうが!!!って言ってたけど、そんなの理屈ではわかっていても身体が言うこと聞くとは思わない。見慣れたヒーローとには気を許してしまっても突然マーキンド星人が現れたらビビるよ。虫みたいな顔してるしアイツ。だから『自覚』の物語。別に意識改革しろとは言わないよ。俺だってできねーし。でも自分が醜い一面を持っていることくらい自覚しておいてもいいかもよって思う。貴方は嘘をつきませんか? 貴方はドッキリ番組で他人が驚いている姿を見て笑いませんか? 貴方はジョークのつもりで他人を傷つけたことはありませんか? 知るかって感じだろ? 開き直れって話でもない。自覚しろって話。他人糾弾する前にさ! 言っても無駄だと思うけど。自分は綺麗で他人を傷つけない凡庸な人間だなんて思うんじゃないよ。そんな都合のいい話があるわけないだろ。タイガから話逸れちゃった。

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他人の認識も主題に入るのかな。自分が他人にどう思われているのかなんて基本的にはわからないし、わかったところで覆せやしない。タイガが『タロウの息子』って言われていたことが顕著だよね。どんなに彼が頑張ってもまあ変わらん。視聴者こそがタイガをタロウの息子としてしか見ていなかったという話は前にもしたしTwitterでもよく話題になることなのでここでは省くけれど、どんなに善良な宇宙人がいても全体の評価が変動しなかったり、自身がウルトラマンじゃないって言っても最後には名前を突き付けられたトレギアだったりで残酷さは一定だ。最終回でピット星人とガルメス人が人間を救ったところであの二人の気持ちが動いただけで他の人間はきっとこれからも差別を続けるでしょう。人々の間じゃウーラーは最後まで忌々しい怪獣という認識で葬られたのだろうし。タイガとピリカが紡いだ暖かい光はタイガが怖い怪獣を倒した勝利の証とかそういう勘違いだってされてるんじゃないかな。

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君と出会った日から。

他人を変えるのは容易じゃないってこと。ゴース星人の必死の訴えでやっと変わった田崎君が本当に珍しいんですよ。フィクションだからこそそういう美しさを認識して大事にしていきたいんだよね俺は。本音を言えない人もいる。同調圧力だってあるかもしれない。安易には何も断定できないんだよ。タイガもパンドンタッコングを攻撃してしまったしね。最後タイガを見てトレギアはタロウを感じたし。誰が正しくて何が間違っているということはないのだけれど、それはイコール正しさを考慮しなくていいってことにはならない。常に倫理観に圧迫されながら生きていくしかないんだよ。それは同時に他人を諦めてはいけないってことでもある。

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今度は僕らの番です。

トレギアは笑って両手を広げながら散りました。今後再登場するにしろ一度こういった終わりを迎えてくれたのが本当に嬉しかったです。ニュージェネヴィランの新しい方向性を切り開いてくれました。誰が何を言っても俺はトレギアが大好きだぞ。あの陰湿眼鏡がよ……。出てくるたびにボコボコにされてほしいです。ウルトラマングルーブ警戒してたの最高だよね。今度時間があればギャラクシーファイトでも記事書きたいなって思ってます。

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誰かに笑われたって構わない。

ここまでジメジメとした感想を書いてきましたが最後くらいカラっとしていきましょう。

 

本当に楽しい半年間でした。本編では個性豊かなゲストが織り成す単発回が続き、ボイスドラマではコアなネタで喜ばせてくれる。最高の作品だったって俺は断言するぞ! 懐古厨みたいなこと言っちゃうけど、従来のウルトラマンって単発回で構成されているものが王道だと思っているからタイガの形式がマジで嬉しかったんだ。これまで25回に分けて書いてきた感想記事も今回で終わりです! タイガとのお別れは悲しいけど、次の冒険が待ってるんだからしゃーねーよ! 俺たちが忘れない限りトライスクワッドは一緒にいてくれる。コーヒーに落ちてるかもしれないしスクワットしてるかもしれないし寝てるかもしれない。わーー寂しいな。それだけ好きだったんだタイガの物語が。暇なら記事を読んで思い出してください。アクセス回数が伸びると俺が元気になるので。

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ありがとう。

ありがとう『ウルトラマンタイガ』!

まだまだ物語は続いていく! 応援だって続けていこう!

 

俺だけじゃない。好きって言葉はどんなに陳腐でも口にしなきゃ伝わらないんだから!

みんなも好きなところがあったら積極的に口にしていこう、文にしよう!

マイナス意見ばかりが目立ってしまう時代。

だからこそ自分の『好き』を守らなきゃ!

 

────さあ、劇場版だ。