だから、言葉が通じなくても理解し合える。#21『地球の友人』
暇なので書く。
暇じゃなくても書くが。
ウルトラマン好きなので。
『ウルトラマンタイガ』
第21話『地球の友人』
アバン。
みなさんは先日起こったゼットンの悲劇を覚えていますか?
小森が引き起こした残酷な革命の物語を。
ホマレとタイガの献身によって鎮圧されたこの話、実は裏で別の物語が始動していたのです。時系列で言ってしまうと霧崎がホマレを撃つ数日前。
瓦礫に埋もれた母の前でゼットンに訴え続ける青年、田崎修は霧崎不審な人物の手を取ります。
悲劇が悲劇を生むというのはこういうことなのでしょう。地球人を憎む宇宙人の攻撃で今度は地球人が宇宙人を憎んでしまう……悲しい連鎖です。
で、本編。
E.G.I.S.へ面接にやってきた田崎くん。母を傷つけた宇宙人をやっつけるために来たらしいのですが、ここは他者を攻撃するためじゃなく護るための組織であるとカナに諭されます。チャラチャラとした見た目から偏見や差別による苦しさは良く知っていると語ることで仮としてメンバーになることを許されました。
後輩をゲットして嬉しそうにするヒロユキ。男は単純なのですぐ仲良くなります。
そして登場CQ。前回開発されたものが速攻で実装です、優秀運営かよ。しかし田崎はそれを秒で盗み出し、霧崎のもとへ持っていきます。
霧崎は善良な市民を装い、人間に紛れて生活していたゴース星人を追い詰めていくのでした。
町中の監視カメラにアクセス出来たり個人の携帯から居場所がバレたりするE.G.I.S.はプライバシーもクソもない組織なので当然CQの位置は簡単に絞れます、怖いですね。
楽しそうにゴース星人を追いかける霧崎。ゴース星人は何かを耳打ちされ霧崎を突き飛ばすと走って逃げてしまいます。悪いことをしていないのに追いかけられる恐怖。
CQを盗まれたのが自分のせいであると考えたヒロユキは急いでE.G.I.S.を出ます。フーマも煽っちゃだめだよお前。仮採用に何でも教えちゃうのはアレだけども。
田崎くんはゴース星人に追い付き殴り始めます。一方ヒロユキは田崎くんではなく霧崎と遭遇。田崎くんに辿り着いたのはホマレでした。
「外見で判断されたくない……そう言ったのはお前だぞ」
ホマレもまた宇宙人。たまたま人間と同じ外見をしていたり、擬態する能力を持っていた宇宙人は簡単に紛れることができるが、今回のように顔を隠して生きていくしかない宇宙人も当然いるわけです。罪のない宇宙人を、宇宙人であるというだけで攻撃した田崎にホマレは怒りを示します。
ゴース星人はホマレに憑依。他者の身体を借りて日本語を喋ります。
霧崎がもごもご言ってますが特に意味もなさそうなポエムなのでスルー。
「俺は地球を守るんだ……だからこれは暴力じゃない! 治安維持だ!」
E.G.I.S.のトンファーでゴース星人を殴る田崎、それに呼応するようにパンドンが現れました。
「何故俺を憎む? 君の母親を怪我させたのは俺じゃない!」
「宇宙人なんてみんな同じなんだよ!」
なおも偏見で傷つけ続ける田崎くん。ここまでくると正義感と欺瞞と正しさがぶつかり合って自分でもどうするべきかわかっていないのでしょう。
「あの怪獣の名はパンドン。あいつは……俺を助けたいだけだ」
「パンドンは……俺を、親だと思ってるんだよ。君が……母親を救うためだったらなんだってするのと同じように……あいつも……俺を救うためならこの星を破壊するだろう……だから……俺は地球を離れて二度と戻らない。信じてくれ……!」
ゴース星人必死の説得にも耳を貸しません。
霧崎が消えたのでやっと変身できるね!!
バディゴー!
光の勇者、タイガ見参です。
パンドン相手に苦しみながらもまあまあ優勢。流石は光の国の成績優秀者です。
ストリウムブラスターでトドメを刺そうとしたその瞬間、ホマレから憑依が解除され、我々にはわからない言葉でゴース星人は訴えます。その姿がゼットンに向かって叫ぶ自身の姿と重なる田崎くん。ゴース星人の手錠を外し、二人でタイガとパンドンに叫んで訴えるのでした。
タイガもパンドンも戦いをやめ二人の言葉に耳を傾けます。
お? これはスーパーハッピーエンド!?!?!?!?!?
余計なことは言うもんじゃありません。ハッピーなど何処にもない。だってこの作品には彼がいるから!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんにちは、ウルトラマントレギアさん。瞬く間にパンドンを切り刻み、殺害。
地球で暴れる怪獣を倒しただけという、皮肉にも『ウルトラマン』としての活躍をまざまざと見せつけるのです。死ね。
怒りに燃えるトライスクワッド。
さあ。燃え上がれ、仲間と共に!
ウルトラマンタイガ トライストリウムに変身!
以前は精神面において優勢だったのですが、今回は圧倒的に不利! 怒りに燃えていると碌なことがない!!! それでもトレギアに対して互角以上の戦いぶりを見せるので僕はご満悦。少しは歯ごたえが出てきただの煽ってくるんですが、少なくともお前は一度負けてるぞ。お前もウルトラマンだろうが!という言葉には特に何も返さず変身解除、今回の戦闘はここまでです。
霧崎の目的はゴース星人の持っていた地底ミサイルだったのです。ミサイルを貸せと耳打ちしていたんですね。地球を構成している四大元素、その五個目であるエーテルを刺激することで地球をビーコンとし、何かヤバいものを引き寄せようというわけですね。ピリカの瞳の中に映っていたのはそれかもしれません。
最終決戦の時は近い。
パンドンの墓を建てるゴース星人。田崎くんは頭を下げて謝罪しようとするのですが、それを制して握手をします。言葉が違っても、種族が違ってもわかりあえる。遥か未来の話でも、きっと不可能じゃない。
飛び立つUFOを見送るみんな。田崎くんはE.G.I.S.を脱退するとのこと、ちょっと残念ですね。
今回はここで終わり。
二話前のゼットンが関わってきたり、前回のCQが関与したりして構成力にまた唸らされてしまいました。CQなんかもう出てこないと思ってたよ俺。ゼットンの認識も正式名称を知らないから「ゼットーンって鳴いてる怪獣」って呼ばれてて嬉しくなったり。
今回の主題は明らかに差別と偏見。タイガもまた『タロウの息子』という偏見で見られることに辟易していましたよね。種族も特徴も違うウルトラマンが集まったトライスクワッドは大きな壁を乗り越えたチームなんですね。何度説得されても苦悩を見せて暴力に走る田崎くんはどうにもジードのベリアルを彷彿とさせました。力に迷って行き先をなくす……とても悲しいことです。差別というのは身近なところにも蔓延していて、タトゥーをしていたら怖い人なんじゃないかと思うし、オタクっぽい見た目ってのもあるわけですよね。陽キャ陰キャってのもそうだし、傷ついている人はたくさんいる。だからといって全ての人間に配慮しながら生きるのは難しいじゃないですか。差別と認識の線引きだってそう簡単にできるものじゃないし、思想の自由が日本にはある。だから少なくとも俺にできることは『自己の認識を他人に押し付けないこと』だったり『暴力に逃げないこと』だったりするわけです。こうして深く考えていけば生き方の見直しにも繋がる。子供番組として大正解だったと思います。冒頭の叫びと終盤の訴えを重ねるのなんて本当に美しい描き方ですよね。ウルトラマンは見る三十分の芸術です。受け取ったものを表面で処理するだけじゃなくて、どんなメッセージが込められているのか、それが間違いだっていいんです。自分なりに咀嚼して解釈していければな、と思ってこの記事を書いています。ウルトラマンかっこいいよね!!!
次回『タッコングは謎だ』
え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、え、タッコング出して何をするつもりなの?????????? サブタイはまあ面白いからいいや。まあ謎だけどさ。
はいボイスドラマ。
今回はまたフーマ過去編にいきます。これもまた小ネタが盛りだくさんなのですが、解説は他のブログで読んでください、俺のはあんま参考にならないと思うよ。
もう切ない終わりが見えてて辛いよね。フーマ大体クソ辛い過去経験しててなんなんだよ。将来的に娘を設けて幸せになってもらいたい人堂々の一位を記録しています。